top of page

愛鶏家、全力前進

更新日:2021年4月21日

ご縁というのはほんとにありがたいもので、まだほとんど何も農家としての生産活動になっていない我が家に救世主らしきものがやってきたのは今月初めの事です。

烏骨鶏(ウコッケイ)という鶏の種類を聞いたことはありますかね。身体は小さく卵も小さいけれど、滋養強壮作用が高いらしく、かの中国では不老長寿の薬として昔から重宝されているそうなのです。

聞いたことあるけど卵高いしなぁ、道の駅で6個800円だしなぁ、6人家族の我が家にちょうどいい、はずもなく縁はないだろうなぁと諦めつつもうっすら意識はしていたら、突然ご縁はあったのです。今まで長らく烏骨鶏を飼っていた方がご病気になり面倒がみれなくなったけど、卵の需要はあるので誰か代わりに飼って売ってほしいとの話がきたのです。一羽、二羽なら飼ってみようかなという人はいるようですが、20数羽まとめて引き取る勇敢な家族はうちの亀成園だけで、競争もなくあれよあれよという間にありがたく引き受けることになりましたよ。

新しく大きな小屋を作り、大きな米農家さんから安く餌を確保し、売る施設の手続きもし、となかなか大変な仕事が諸々でした。それでも流れには乗ってみようとの軽いノリで引き受けられたのは、何をするにもまだ余裕のある今だからこそだった気もして、つくづくご縁の有り難みを感じます。

それで迎えた新しいメンバーがこの子たちです。

image

おなじみの鶏はボリスブラウンという品種で、色も大きさも全然違います。私は基本的に親バカなので、鶏は茶色に限ると固く信じていましたが、引き受けてみると、白もわりとキレイだわ、と方針変更しましたよ。手前におデコの突き出たほほに水色ぷっくりあるのわかりますかね。これが雄で、引き取るのにちょっとためらいました。だって雄鶏は朝早く鳴くのです。雌鶏は大きな声で鳴いたりしないのですよ。朝起きてもあまり騒がないのですよ。でも雄鶏ってば必ず鳴きますね。

フィリピンのルソン島じゃないゆったりした島に行ったとき、泊まったホテルのすぐ裏に雄鶏がいて、夜中の2時から鳴き出して以来、私は絶対雄鶏には関わるまいと決めていました。ただでさえいつ子供が泣き出すかわからない暮らしを10年近く続けていて苦しいのに、やっと落ち着いたらコケコッコーに起こされてはたまらん、と思いながらも何故引き取ってしまったのかしら。卵の儲けに目が眩んだより、できるうちに人助けをしておこうと思ったより、やはり次の命につながることに惹かれたからかな。

烏骨鶏は鶏の中でも卵を抱く性質が強く残されているそうです。卵用に改良されまくってきた品種は卵を抱かせる必要がないので、たとえ有精卵であっても雌鶏が自ら抱くことはなく、専ら孵化器ですね。大量に確実に管理の下にヒヨコを孵化させたほうが良い場合も多いのでしょうが、私は雌鶏が一所懸命卵を温めている姿が好きです。雄鶏を時々借りるという手もありますが、自家製で産まれるなら無駄がないし、発見も多そうで魅力的なのです。

朝の3時、4時に鬨の声を告げられては流石に広々なご近所といえどご迷惑なので、夜の間は暗い所に移して、6時を回ってから外に出すという約束で、雄鶏たちも引き取ることになりました。初めは家の極近くで収容していたので、5時にもなればうっすらコケコッコーが聞こえ出しました。初日は声に慣れず、一度鳴き出したら何度も何度も続くのに参りました。まるでお店でお菓子をねだる子供のようで、堪忍袋の緒が切れそうになったものですが、3日もすればすっかり慣れ、今日もよく鳴いてるわぁと微笑ましくなってしまいました。つくづく「うちの子」には甘い親バカなのですね。

そんな経緯で我が家に21羽の烏骨鶏が仲間入りしました。なかなか卵を産まないことや小屋の大移動など今月は振り回されまくりです。犬も番犬となってくれるか獣心を抑え切れないか気を抜けないし、元々の鶏たちもなんだかそわそわするし、生き物が増えるときはいつもやたらにざわつくものですね。でも思っていたより愛せそうで、ワクワクしています。ボリちゃん、ウコちゃん、二本立ての養鶏ライフはまだ始まったばかりです。

閲覧数:4回0件のコメント

最新記事

すべて表示
bottom of page