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山の犬、川の犬

うちから歩いて15分のところに温泉旅館があります。今ほどいろいろなところに温泉施設のなかった頃は松阪市内からも沢山の人が保養に訪れていたようですが、めっきりひなびた数年前、犬と泊まれるホテルとして経営が変わりました。わんわんパラダイスと言って、ここの他にも鳥羽や蓼科なんかにも展開しているみたいです。いいとこ行きますね、犬も。おかげでそれ以来県内のみならず関西地方、中部、はては関東や九州からも愛犬を連れたご家族がこの宿を目指してやってきます。春から秋の週末は大体埋まってるくらいの人気なようで、各犬雑誌で紹介されているんでしょうね。

ここに訪れた犬とご家族は、温泉こそ犬は入れないものの、館内は食事の部屋もどこも犬の出入り自由だし、一階の部屋は庭付きになっていて、多分至れり尽くせりです。多分というのは近所なだけで泊まったことはないからですが、食事も以前は持ち込み前提だったのが改善されて、犬用メニューも増えたようです。鹿肉もメニューにあるのは勝手に自慢のポイントですね。

でもここの醍醐味はなんといっても外遊びです。夏以外は近場の散歩と10分ほど歩いたところにあるドッグランで放し飼いを楽しむ人が多いですが、夏はなんといっても川遊びですね。すぐ近くに整備された川があり、遊び放題なので、泳げる犬は気持ちよさそうです。小型犬はあまり見かけず足を水につけるくらいですが、堂々と泳ぐのはレトリーバー種が多いようです。もともと鴨などの鳥獣のとき同行して、池に撃ち落された鳥を泳いで捕獲してくる犬種なので、泳ぎはお手の物なのかな。レトリーバーの愛犬のために鳥獣を始めたという人もいるくらい、レトリーバーの泳ぐ姿はなんだか決まります。私も見かけましたよ。

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犬が泳ぐのって素敵、と思った飼い主は当然自分の犬にも泳がせてあげたいと考えます。昔飼っていた犬とも川遊びはいったものだし、犬種は違うけど、わざわざ旅してまで来る場所に暮らす犬としては当然よね、と何度も連れて行っているのですが。

なんと我が愛犬、泳ぐの嫌がるのです。水場としての川は大事らしく、汲んだ水でなく流れる水を好むから冬でも川原に下りることはあり、足をつけるくらいは平気なのですが、さあ泳ごうと促すと、決まって大抵抗にあいます。川原に足を踏ん張って嫌がる情けない姿このうえなし。

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何度か無理やり深いところに連れて行ったらいちおうバタバタと水かきして、溺れることはないのですが、もう必死で陸に上がろう、逃げようとしていて、泳ぐ気は全くありません。

猟犬として山登りはハイスピード、耳も鼻もばっちり効いて、ちょっとヤンチャだけど頼りになる愛犬の意外な弱点は泳ぐことなのです。

そのちょっと情けない姿も可愛いし、日本犬で優雅に泳いでいるのってそういえば見かけないし、無理からぬことなのかもしれないけれど、犬と川原キャンプを目指す身としてはかなりイメージが崩れてしまいますね。海で泳げと言っているわけではありません。山間の川でほんの少し楽しみたいだけなのです。我が愛犬はトレーニングに耐え、見事に川の犬になれるでしょうか。夏はまだ残ってます。がんばれがんばれ。

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