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執筆者の写真亀成園長 まぁちゃん

野ネズミ暮らし

ずっと目をつけていた川原の野イチゴがようやく実りました。他の場所では五月半ばが全盛だったことを思えばずいぶん差が出たものです。木苺はちょっと遅いけど、それでも6月上旬によく見かけたのに、今盛りの川原の野イチゴは諦めかけた頃の再発見で、なんだか得した気分です。そうでなくとも拾い食いなので得しまくりなんですけどね。

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同じ時期にホタルブクロも目立って咲いています。大阪にいる頃は薄い赤紫の花しか見なかったものですが、こちらでは専ら白ばかりです。なぜそうも異なるのか私にはまだ理由はわかりませんが、細い水路沿いに咲く小さな白いホタルブクロはとても清潔感があってしっかり好きになってしまいました。

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ところで、野イチゴとホタルブクロといえばすぐに思い出すのは、いわむらかずおさんの最高傑作である14匹のネズミたちの絵本です。その中でも一番版を重ねている「14匹のあさごはん」ですね。森の大きな木で暮らすネズミの家族が、朝起きてから素敵な朝ごはんに至るまでの小さなお話です。なのにここには憧れずにはいられない魅力がいっぱいで、もしかして私はネズミたちに憧れたが故に山のそばの田舎暮らしをすることにしたのではと思い至る程、このネズミたちの暮らしは素敵です。

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子供が10匹いるのに大人たちはいつも穏やかで創造的で働き者です。そんな大人たちや当たり前に手伝いをし助けになる上の子たちにも見守られつつ、活き活きと遊ぶ小さな子たちがいて、春夏秋冬いつだって野ネズミたちの暮らしは豊かです。人間の大家族だと、なんだかそこには利害やいがみ合いが発生しやすく、嫁姑喧嘩、夫婦喧嘩、兄弟喧嘩が何もなく穏やかに暮らし続けるなんてまさかないだろうと、ひねくれが払拭しきれない私には疑いがもたげてしまいますが、かわいい野ネズミたちならアリです。むしろ理想的なのが当たり前かなぁと疑うことも忘れていました。ブレない理想が描かれているこのシリーズはありがたく、親になってからまずそろえてしまった絵本です。

長い付き合いの絵本でしたが、「14ひきのあさごはん」の季節がまさに今であるとは、30年も経てやっとたどり着きました。お話では野ネズミたちの子供たちが野イチゴを集めている間にお母さんたちがどんぐりパンを焼き、おじいさんが特製スープを作ってみんながひと働きしてからの朝ごはんですが、我が家は食後の散歩で野イチゴをデザートにしてしまいました。学校に行っているお姉ちゃんたちの分はちゃんと袋に残しておいたから、許してくれるかな。

さて夏の野ネズミたちは川で洗濯したり子供たちだけで池に遊びに行ったりしますが、それはまだまだ我々にはハードルが高いので、先のお楽しみですね。憧れて洗濯板を買ったもののちっとも使えずカビさせてしまったのはほろ苦い経験ですよ。

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