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まさかトサカ

執筆者の写真: 亀成園長 まぁちゃん亀成園長 まぁちゃん

鶏卵がいつの間にやらほぼ自給できるようになりました。ヒヨコから育った10羽の雌鶏たちが一日合わせて四個程産んでくれるようになったのです。六人家族で毎日四個ずつは、毎朝食べたりお弁当に使うならちっとも足りないでしょうが、産まない時期が長かったので、卵が当たり前でない暮らしをしてきたから、毎日毎日使わなくても時々あったら幸せな位置付けになっており、買いに行かなくてもあるなんて、とても贅沢な卵ライフです。毎日産んでもらえるようになると、毎日幸せが追っつかない状態です。十個の卵入れがすぐいっぱいになって、使ってもすぐにまた溜まるなんて、何ヶ月も待った甲斐がありましたよ。

雌鶏は概ね生後半年ほどで卵を産み始めるといいます。でも実際はかなりバラつきがあって、早くに五ヶ月くらいから産み始めるコもいるし、七ヶ月、八ヶ月と遅れて産み出すコもいるとのことです。飼い方や餌の与え方、また季節の変わり目は産みにくいなど、生き物ならではの絶妙な分かりにくさがあります。平飼いにしていると産み始めは遅いけれど永きに渡って産んでくれるというし、細く永く待っていました。まだかなまだかなと待ち望んでいる時は、産卵箱を覗いて空っぽで、ガッカリしないよう心掛けてはいてもやっぱりダメかとテンションは上がらなかったものですが、今は毎日そこに卵を見つける喜びがあります。三羽、三羽、四羽に分けて三カ所で飼っているのですが、卵がないときもあるし、一個あったり二個あったり、極稀に三個あったりして、数が限られているだけに一つ一つが宝物のようです。たまに午前中が多いかな、産んだばかりの温かい卵を手にしたら、じんわりじんわり持つ手から身体中にぬくもりが広がっていくようです。

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面白いもので、子供達のうち長女は四人の中でも圧倒的にインドア派で、畑の手伝いやらはかなり誘わなければ興味を示さないことのほうが普通なのに、卵集めはいたく気に入ったようで、近頃学校から帰るとすぐに自発的に鶏舎巡りをするようになりました。あったあったと喜んで家に入ってくる気持ちはものすごく共感できるし、食べるだけでない喜びを日々与えてくれる鶏たちに感謝です。またお休みの日には午前中に産んだばかりの温かい卵を見つけさせてあげたいですね。

そして順調に産卵するようになるといつの間にか、雌鶏たちの頭にトサカが目立つようになりました。毎日会っていたのになぜ見逃していたのか、或る日突然びっくりしたので不思議なものです。ボリスブラウンという品種は頭がツルッとしたままだと思い込んでいたから余計、突如目に付いた赤いトサカに目が点になりましたよ。これもまた成長の証で、立派になったと喜んであげたい気持ちと、もうツルッとした頭は見れないのかという寂しい気持ちの共存です。鶏はいつだって私に「母の心構え」を予習させてくれます。もう戻らない小さな子供との日々を無下にしてしまうことのないように、或る日突然息子の首に喉仏を発見して叫んだりしないように、変化に対して敏感かつおおらかでいたいものですね。

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そんな大事な鶏たちですが、いよいよ寒くなってきたので外敵に今まで以上に警戒しなければいけなくなりました。夏の間はイタチも食べるのは野ネズミで十分だそうですが、冬は獲物が少なくなるので、どうしてもいつまそこにいる家畜が狙われることになります。テンもハクビシンもキツネも冬眠しない獣ばかりで、我が家の可愛い雌鶏は無事に冬を乗り切れるのでしょうか。毎日の見回りに抜かりありませんように。隙間を見落とすことがありませんように。ここまで育った大事な大事な鶏たちが恐怖することになりませんように。生き物と共にある暮らしにはいつだって心配が尽きません。全く無害で乗り切れた養鶏家などいないのでいつかはショックを受ける運命なのかもしれませんが、ああどうぞ今夜も無事で、明日また会えますようにと祈るのです。

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