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古き良きマコモ

飯高にはマコモの里という、田んぼとも畑とも違った趣の場所があります。マコモというイネ科の作物を育てているところなのですが、穂が実るわけでないのでパッと見は可食部がどこにあるのかわかりません。売られているのを見てみると、竹の子の仲間のような、失敗したトウモロコシのような、独特の風合いです。お味もやはり爽やかなタケノコのような、でんぷん多く且つ油のりも良い、慣れれば使い易い食材のひとつです。水煮も出回っているらしく、給食にも時々登場します。マコモご飯、マコモのお吸い物、マコモのかき揚げ、マコモのきんぴらと頻出ですね。収穫した後に株分けして、次年度もどんどん育って増えるので、学校でもバケツ稲感覚で栽培しており、増えたのを分けてもらって我が家でもバケツ2つ分育てていました。ちなみにイネ科なのでよくイナゴが見つかったものですよ。イナゴは最近とんと見かけなくなって、寂しさを感じる程親しみ深くなってしまいましたよ。

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マコモは飯高に来てから出会った私にとっては新しい作物なのですが、調べてみると万葉集にも登場しておりました。 「真菰刈る大野川原の水隠(みこもり)に」 コモで韻を踏んでおりこれだけで子守歌になりそうです。 かつて水辺に大群生して、長く伸びた葉の部分はムシロに使用されてきたようです。昔話でお馴染みのムシロがマコモの葉から作られていたとは、植物と暮らしの知恵とには毎度遅まきに驚かされます。ワラもヨシズもムシロの材料もどれも近くにあるのにろくすっぽ扱えてなくて、古来のお百姓さんはなんて働く手足をしていたのだろうかとため息が止まりませんよ。

とりあえず我が家でも収穫です。根元近くをかき分けてポキンと折るだけの簡単さがなんとも気持ちよくて、子供に内緒で試してしまったことが申し訳ないです。一気に収穫する必要もないので今日はこっそりのまま、食卓に出してみましょう。味でわかれば拍手です。

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今日は他にも大豆の鞘取りやサツマイモのツルを先に採ってスジ皮をむいたりと丁寧な仕事が続きました。理想とするお百姓さんの足元にも及ばないけれど、数日ぶりの快晴で、ありがたい気持ちよさとはこういう感じですね。

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