黄金の輝き体験

秋一番のお楽しみが芋掘りである人は、幸せな食いしん坊さんに間違いありません。涼しい晴天のもと、ふっくらした土の中から赤紫の大きなサツマイモをすっぽり掘り出す喜びといったら、畑の喜びの中でも一、二を争うお楽しみではないでしょうか。学校行事で芋掘りができる娘たちは、また日を改めて焼き芋大会もあり、どこまでも恵まれております。もちろん世の中にはサツマイモを愛せない人もおりますが、今からでも幸せな思い出が書き加えられて、サツマイモといえばにんまりできるようになればいいですよね。

私の場合、芋掘りといえば物心ついてから中学生くらいまで毎年祖父の畑で掘らせてもらっていました。定年後に市民農園を借りて畑仕事に精を出していた祖父が、毎年必ず孫たち三家族のために芋掘りを準備してくれていたのです。芋の植え方もお世話も収穫準備もちっとも何も知らず手伝わず、そろそろかなという時期に呼ばれて行って、見え見えのツルを掘りあげるだけでしたが、土と芋と祖父の笑顔が重なって、いつになっても幸せな秋の一コマとして思い出されます。美化されているなぁとは思えど、もう会うことも叶わない祖父の思い出が美化されるのは、多分悪くないですね。

焼き芋の思い出は高校生の頃と大学生の頃に数回あります。落ち葉が集まらず苦労したり、芋の包み方で議論したり、スムーズに行われたことは一度もなく、トラブルとセットでした。それでも冷たい空気の中煙に巻かれながら、待ちに待った熱々の焼き芋は、いつだって実際以上に黄金色だったのです。

我が子たちにとっては畑を持っているのは祖父母ではなく両親です。その分記憶は生々しく、美化されにくいかもしれませんね。どう記憶されるかは本人次第でまだまだ先のことなので、考えても仕方ありません。とにかく私自身の楽しみのため、また純粋な食料確保のため、今年も一緒に芋掘りをしましたよ。去年は植える時期が間に合わなかったので何年ぶりになるのかな。自分とこの畑では初めてのことです。

生い茂る芋の葉をかき分けて、芋ツルに足を取られながらやっと地面と芋の接点を探し、地中の芋を傷付けないよう少しずつ土をどかしていって、覗いた芋をすっと光にさらします。ゴロンと大きいのなのか、コロンと小さいのなのか、まん丸なのか長細いのか、掘ってみるまで何もわからないけれど、どんなのを掘ってもなんだか無性に嬉しくて、長いこと眠っていたお姫さまを起こした気分です。口づけは泥を落としてよく洗って、柔らかくなるよう火にかけてからですけどね。

あっという間に何株も掘り上げられました。虫食いがあったり太りきらなかったり、最高の出来映えとはいかないでも、目の前の畑で育ったサツマイモはどれもずっしり感じました。里芋もちょうど収穫期で、ほくほくねとねとの美味しさが掘り上がりましたよ。そうそう、土から掘り出す仲間では、落花生も見落とせませんが、その話はまたそのうちに。

さて掘り出した大事なサツマイモたちですが、どう保管するかで悩み中です。我が家はあっという間に寒く寒くなってしまうので、注意しなければすぐ凍ってしまい、美味しく食べられなくなります。農的生活を堪能するにはやはり保管場所が必須ですね。食と住まいと同時に考えていかねばならず、まだまだ壁は厚い厚い。悪くさせてしまうその前に、ひと手間かけて大好きな干し芋にすることができるのでしょうか。

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