麦より前にプチ収穫

昨年秋から車で10分くらいのところにある畑で小麦を手伝わせてもらっております。まだ麦畑も田んぼもないうちにとっては初めての、憧れの穀物作りです。草取りして耕して種まきして麦踏みして、長細い畑に並んだ小さな麦たちが愛しくて、寒い中に時々訪れてはうっとりしておりました。あとはそんなにマメに面倒見ずとも黄金色の麦畑になって、収穫したら小麦粉で何作ろうかな、とあまりに呑気にしてたらそう甘くありませんでした。柵が壊れて鹿が侵入したところもなんとか復旧して順調に育ってくれているのですが、暑くなってきて今月中には収穫万歳の手前で、草負けという事態になりました。後から育った雑草の勢いと重みに倒されてしまうなんてことがあるんですね。その雑草とはまたまたカラスノエンドウでしたよ。

夏の声を聞いた途端、草の勢いはすさまじいです。あちらからもこちらからも草刈機の音がブワンブワン響いてきます。うちは草や虫を敵としない自然農法を志しているので、きれいさっぱり刈ってしまうことは基本的にはしないのですが、あまり放任しておいたら作物がなぎ倒されるとは、実際経験してみなければわかりませんでした。

作物は手をかけ過ぎても育たないけれど、放任し過ぎると痛い目に遭います。要求しまくりの我が子たちと比べると有り難いような難しいような。早く助けてあげられたらよかったな、と反省しながら、やっと助けに行きました。

絡まった野エンドウを抜いて抜いて抜いて。麦は抜かないように踏まないように野エンドウと大きな他の草を抜いて抜いて抜いて。そう大きくない畑ですが、何時間かかったことでしょう。でも、キリがないと見えるものも積み重ねで確実にこなせるところが好きです。すぐ飽きた子供たちは近くの川で遊んでおいてもらって、地味な仕事を堪能しました。

もうカラスノエンドウは実が黒くなってるのも多く、触るとプチんと弾けます。触らずともプチんプチんと音がして、弾け飛ばしたサヤがクルクルになっています。種を飛ばされてしまうとまた畑に種が落ちてしまうので、出来ればその前に引っこ抜いてしまいたいのですが、まさに草自身が待ち望んでいた瞬間の音が余りにいい音で、クルクルになったサヤがなんだか誇らしげで、私はまた草から良いものをもらったような気がします。

引っこ抜きつつその実本音は応援してしまい、なんとも呑気な農家なことよと我ながら呆れます。こんなに甘くてはダメだろうか、領分は守るべきだろうかとの考察はいずれするとして、せっかくなので、また種を集めてみました。息子がかじって珈琲みたいとつぶやいたのにピンときて、軽く炒って砕いてお湯を注げばいいかもと、本業と無関係の遊びを増やします。

いっぱい集めたつもりでもほんのちょっぴりだし、炒ると弾けまくってまた逃げ出して、すりこぎかけるとまた逃げ出して、結局珈琲というより麦茶のようになりましたが、労働後の一杯にはなかなかの味わいでした。微かに甘くて香ばしい。二度やる保証はないとはいえ、これもまた得難い経験でした。これで、弾け飛ぶ野エンドウの勢いが身につけば楽しいですね。

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