日照り続きがようやく解消されそうになりましたね。雨ばかりだと気分は晴れにくいですが、農家を志す身分になってからは、雨はあまりにも大きな恵みなので、こんなに待ち遠しいことはかつてなかったかもしれません。うちはまだ水田はありませんが、蒔いた種もヒョロヒョロの苗も、雨あってこそみずみずしい夏野菜になってくれるので、地面が潤うのを心待ちにしています。
でもその前に、大いなる梅仕事がありました。 うちは前の住人さんの残してくれた果樹がいっぱいあって、小梅で三本、大梅で更に四本あるのです。冬にかなり剪定したつもりがありがたくも回復してくれたので、今年も沢山採れましたよ。
仕事に追われず仕事を追うようでなくてはならないのに、梅には追われっぱなしでした。
日曜日の楽しい収穫はお父さんと子供たちにほぼお任せしましたが、その後保存食に仕込むのは私の役割です。市販の梅なら傷もあまりないでしょうが、成ったものなので大きさも熟し具合もバラバラで、青梅に向くのは梅酒かな、梅干しは完熟が良いらしい、小梅は傷んだのをはねてシロップに、と試行錯誤でやっていると、子供たちに手伝ってもらう大事な機会を逃してしまいましたよ。私にはそんな仕事は醍醐味で、容器と材料がもっとあれば次々とこなしていきたいのですが、あるものでできないかなぁなんて考えているうちに傷みが進み、あっぷあっぷです。
とりあえず小梅を先に瓶に詰め込み詰め込みシロップを確保し、入りきらないのが熟してきたのでジャムにしました。漉すことをサボったため、種が邪魔すぎるジャムになりました。ほんの少し醤油漬けにしたら数日でシビれる美味しさになったので、大梅で大瓶醤油漬けを作りました。作るといっても青梅のヘタを取って串で何箇所か刺し、瓶に入れて醤油を注ぐという簡単さなので、ちょっと余ったときにもオススメです。梅味のする醤油が使えるだけでなく、醤油に漬かった梅を煮込み料理に活用するのも美味しそうですね。
更に仕事は続きます。だってまだ梅酒も梅干しもしてません。
塩水に漬けて干した後で氷砂糖を足すというぽたぽた梅に2キロ半、シンプルな梅干しに3キロ、更に2キロちょっとはホワイトリカーに漬け、2キロ弱を瓶に押し込み再度シロップにし、どうにも傷んできたからまた砂糖で煮込み、味噌漬けにもしてみて、もうネタ切れになりましたよ。ジップロックに入れて冷凍庫に保存しようとしたら、冷凍庫が頂き物の鹿肉でいっぱいでした。
まだ少しは追われておりますし、カビに注意したり梅雨明けに干したりと仕込んだ梅のお世話も気を抜けませんが、それでも沢山の梅の恵みに無事授かれそうでやっと一安心です。
酵母にも少し仕込んだらすぐにブクブクしてきて、イースト少なめのパンに早速活躍してくれました。数ある作物の中でも梅はやはり偉大です。沢山の塩漬け梅と一緒に、雨の季節を過ごすことにいたしましょう。
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