指針のある子育てに挑んで その②

シュタイナー教育を知っている人はどのくらいいるのでしょうか。30年程まえから日本でも紹介され、熱烈なファンも多い反面、敬遠する人も多いのが実際のところなのかな。映像メディアやキャラクター、化学製品などをNGとすることで現代とはそぐわないと切り捨ててしまったり、それ以上踏み込まない人が多いと残念でなりません。自然派思考の人にはかなり身近な子育て観なのでしょうが、もっとやんわりと受け止めたいエッセンスがいっぱい詰まっています。

例えば、子供は親の遺伝や育て方とは関係なく、個々の気質をもっていて、ざっくり4つに分けられる気質によって、興味のもち方も行動の仕方も親が気を付けることも全然違うということ。

人の性格が違うのは誰もが実感していることで、怒りっぽい人やすぐ泣く人や飽きっぽい人やのんびりな人がいることは誰もが知っているのにも拘らず、自分の子供が感情的であったり鈍臭かったりすると、親としてまともと自分には思われる注意を与えようとしがちです。更にいつも繰り返される同じような失敗や気にそぐわない傾向にイライラしたり、正そうとしたり、比較したり、投げ出してしまったりと、お互いなんだか辛いやり取りを繰り返さなければいけなくなることもあります。ええ、私がいつもやってしまっていたことです。私は基本的にはのんびりとお茶をすすりながらゴロゴロしていれば幸せなのに、愛する我が子はそうではないらしい。3人目で合致する子が生まれ、あまりのゴロゴロに却ってあきれてしまいましたが、1人目はなんだかカッとすることが多かったし、2人目はあまりに飽きっぽくて衝動的で、自分とはかけ離れていました。

カッとする子にコンコンと注意したり、つられてカッカして怒鳴ってしまうのは不毛なことです。飽きっぽい子にじっとしていることを強要したり、衝動性を抑えようとするのもなんだか苦痛です。逆にじっとしているのが好きな子をいろいろ連れ回したり盛り立てようとするのもまた労多くして益少なしです。繊細な子に強い刺激を与えたり、強くあれとけしかけるのも効果的ではありません。

なぜならそれぞれの気質があるからです。気質、がわかりにくければ、カラーといってもいいかもしれません。赤、黄色、緑、青は混じり合うけれど、違った色です。赤には赤の性格があり、長所も短所も表裏一体です。黄色には黄色の、緑には緑の、青には青の、それぞれのかけがえのない個性があるのです。

みんな違うと言いつつも、十人十色でもなくはっきり四つに分けてもらっているのはありがたいことです。細かい分類では混乱してしまいますから。4つの気質は混じり合う場合もあるし、大人になればバランスをとるようになるけれど、子供の場合はほとんどはっきりと4つのどれかが突出して現れるそうで、実際そのようです。

あまりにマイペースな私が規律の好きな子を育てるには、自分の思い込みだけではとてもできそうにありませんでした。粘り強いというかそんなに変化を好まない私が移り気な子を育てるにも、愛だけではなく知識を必要としました。気質を分類してもらい、それぞれのアドバイスがあったから、子供たちのはっきりした個性をできる限り前向きに受け止められるようになりました。

シュタイナー教育から学んだことは他にも大きく4つあります。

子供は模倣で学ぶという原則、暮らしの全てにリズムが欠かせないこと、自然と戯れ尽くすこと、そして現実の前にファンタジーがあるということです。

他のシュタイナー教育に関わる人とは異なるかもしれませんし、私も未来は違う学びをしているかもしれませんが、この数年意識して心掛けているのは上記の4つと最初に触れた気質の話を合わせた5つです。

百聞は一見にしかずと昔から言われているように、どれほど口を酸っぱくして言い聞かせるよりも、お手本となる行動を示さなければ子供は学べません。お皿を片付ける、タオルをたたむ、靴をそろえる、挨拶する、どれも毎日繰り返して見るから真似して身に付けることができます。

リズム、もより意識することで日々の繰り返しがよりスムーズになるし、一日のリズム、一週間のリズム、季節のリズムを気にかけることで変化を受け入れる柔軟性が養われていくような気がします。またゆっくり考察したいテーマですね。

3つ目の自然と戯れ尽くす、ですが、シュタイナー教育ではほとんどのものは自然素材が使用されています。数を数えるのに小石を用いたり、幼児の玩具も木やどんぐりや、天然の布が多く使われます。建物も光と風をめいっぱい通すよう考えられているし、毎日ろうそくに火を灯す時間もあります。火、水、風、土でできることは想像以上にあって、面白い遊び=学びが沢山紹介されています。私が移住の際、川のそばを意識したのはこの影響も大きかったです。

最後のファンタジーですが、シュタイナー教育では年齢によって、語られるお話が決まっています。幼児から1年生まではグリムを中心とした童話、2年生は動物寓話、3年生は旧約聖書、4年生は北欧神話、というように。国や地域によって少しずつ違うことはありますが、小さな子に理屈っぽい話や心理的に複雑な話をすることは避け、大人の目ではなく、小さな子が世界を見る目をそのまま大切にしています。夢見がちな幼い子には夢を見て、動植物全てと話をし、世界を全て良いものと信じる権利があります。いずれ虫が脱皮するように現実の世界に入ってこなくちゃいけないのですが、ファンタジーをとことん尊重された子は、自分の意思で気持ちよく脱皮することができます。夢ばかりで社会適応ができないのではとの心配は無用で、先に子供を子供らしく過ごさせてあげるという教育は、現代ではなかなか難しいだけに、大事に大事にしたい考えだといつも自分に言い聞かせています。

長くなりましたが、私がシュタイナー教育を子供に接するときの大きな指針にしていることが伝えられたでしょうか。また折に触れてわかりやすい例を上げて、いい話を共有できればいいなと思っています。

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