招かれざるモノ

寒くなって植物の生育が静かになると、慌ただしくなるのは動物たちです。眠る生き物はよいけれど、私も含め冬も活動する生き物は、どうしても食べる物に困ることになります。サバンナでも乾季の終わりには野生動物が人の集落に寄ってくるように、山間でも冬はあっという間に降りてきます。寄ってきます。ウヨウヨしてます。あれやこれやの動物たちがね。

11月から猟期になっていますので、わな猟一年目の亀成園としては獲物にはぜひ寄ってきてほしいものです。鹿とイノシシが招きたい獣ですよ。もちろんワナを飛び越えて畑に浸入してもらったら大弱りの獣たちでもありますが、ここはお互い食うか食われるかの(こっちは作物であっちは本体といえど)まあお互いさまの関係なわけです。

招かれざる獣たちはもっと手強いです。サルは昼間の活動だし、犬が気付けばすぐ吠えて追い返すので、他のうちほど被害はなく恨みもありません。一番怖いのは大事な鶏たちを狙う夜行性の獣たちです。イタチにテン、ハクビシンにアナグマ、タヌキにキツネ、小さいのから中ぐらいのまで、いつ来るかいつ来るかとうっすら警戒していたら、来たのです。

夜の11時頃だったでしょうか。犬がやたらに吠えるので気になって飛び出してみたら、何やら木の上を飛び回り逃げ回る黒っぽい生き物がいました。木に登って逃げるかなと思いきや、下からお父ちゃんがゆすって落ちたところを犬が噛み付いて捕まえました。どうやらハクビシンです。かなり暴れてまた逃げて、また木に登って、また落として、再び捕まえました。ものすごくもがくので、人が尻尾をつかんで、犬が喉元に噛み付いて、ようやく捕り物ひと段落です。

月明かりの下でもヤンチャなしなやかな体がくっきりで、鶏のことがなければ殺すに忍びない可愛らしさがあるのです。一度生で見てみたいと願っていたら、なんとも凶暴な生の姿をさらしてくれましたよ。ハクビシンは侮れない厄介な招かれざるモノなのです。というわけで、容赦なく成敗です。犬に噛み付かれてもまだまだ元気いっぱいで、いつでも逃げ出す力が余っていたので、トドメはヒトの仕事です。慣れた猟師さんなら電気ショックをかけるそうです。南無阿弥陀。

夜中に忍び寄ってきたハクビシンは恐ろしいですが、気が付いて捕まえた番犬の力はまた素晴らしいです。間抜けな行動をしてしまうこともたびたびの愛らしい犬ですが、きちんと仕事ができる奴なのです。お手柄としてやっつけたハクビシンを放ったらかしておきましたが、ガツガツする気はないらしく、犬もほどなく小屋に戻り、安眠に至ったようです。

これからますます日は短くなり山の食料は少なくなり、谷あい集落は夜の動物園になります。畑も鶏もつつがなく無事でありますように。来年を先取りして、犬への敬意を深めたひと騒動でした。

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