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実のある散歩

緑いっぱいの空間に突如丸く色付いた実ものについときめいてしまうのは秋以降のお楽しみでもあります。果物もいつだって栄養だけでなく、目にも喜ばしい恵みでありますが、きれい色の粒々が心に与えてくれるウキウキ感と言ったら、子供にとってのお菓子の家のようです。見つけた実は食べられるとは限らないけれど、案外食用可能が多いのも嬉しいポイントです。

暑くなく寒くなく、外歩きに最高の季節です。天気が安定しないので、時間のあるときに最高の散歩ができる保証はないけれど、たまたま運に恵まれた日がありました。子供の習い事もなく、買い出しや遠出の必要もなく、かつ涼しい快晴で仲良しの休日、幸運な日だったとしか言えません。

散歩を始めてしばらくして早速見つけたのはアケビでした。大人になるまでちっとも知らなかったのに一度味わってからは何よりの好物になってしまったのに、なかなか手に入らないプレミア食材です。クマの好物としてよく紹介されておりますね。鮭といいリンゴといいアケビといい、姿も可愛いのに強いし、食べる物の好みのセンスは抜群です。いつかクマになるのもいいですね。何年も前にはこの辺りでも目撃されたようですが、猟師さんによるとこの数年は形跡はないそうです。クマがいたら流石にアケビは譲らないといけない気がしますが、いないなら、私のものですね。

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すっかりご機嫌で更に歩いて行くと、次に見つけたのは立派な野葡萄のツルが下がっているのです。食べられる実ではないけれど、薄緑から青、紫に赤紫と一つのツルでこれほど多彩に実をつけているのは野葡萄の他なく、リース作りに最適です。とりあえずざっくりくるっと巻いて、自転車をおめかしさせましたよ。

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他にもこの日の散歩では何種類ものドングリを見つけて娘たちもご機嫌です。ドングリによっては犬もかじるのがあるのですが、まだ熟していなかったのか、種類が違ったのか、愛犬だけは収穫なしでした。愛犬の拾い食いは品がないのでやめさせたいところですが、食べられる実を見つけた時は共有したくなります。それからたまに渋柿が落ちているのと、喜び勇んで拾い食いしようとしますが、なめてびっくりな顔をするのがまた可愛いのです。こんなのも食べられるのか、これはあかんのか、といった発見がいっぱいなので、まだ躾に至れない次第でございますよ。

帰ってすぐに娘たちはドングリ遊び、私は野葡萄リースを仕上げました。仕上げというほどのもおこがましいほどざっくりとしたリースですが、茂り過ぎた葉っぱは取って、実の付き具合や色のバランスが良いように少しずつずらして、ワイルドながらもそれなりに可愛らしいリースになりました。

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リースと言えばやはりクリスマスリースが思い浮かぶのでしょうか。それ以外は記憶にないのかもしれません。私は中学生の頃にリース作りを教えてもらい、木の枝のツルで輪っかを作って、隙間に花をくくりつけていくのや、緑の丸いスポンジに花を挿していくのやら、生花ではなくリボンや造花やらでクラフトの一つとしてリースを作ることなどを教えてもらいました。それ以来、趣味というほど頻繁でもなくたいした作品はできないけれど、ツル状の植物を見つけるとくるっと巻いてしまいます。教えてくれた人は何倍も素敵なのをあっという間に作っていたので、受け継がれなかったものの大きさにいやんなりますが、一緒に作った楽しさを思い出すのもかけがえのない喜びがありますね。

縮れた棒状のものをくるっと輪にして飾るリースというのは、円満の願いが込められているそうです。中国でも節目の時には家族揃って輪になって丸いお菓子を作って食べたり、丸い餃子を作ったり、輪の形に家族円満を象徴させています。リースを習ったときはちっとも家族円満なんかじゃなかったけれど、輪にして輪にして何度も作ってきたら、不思議なことに今は円満に過ごせています。ありがたい。これからも恐らく輪が乱れたり縮れたりすることはあるだろうけれど、やっぱり何度も何度もリースを作り続けていくのでしょう。それには実りある散歩をしなくちゃね。サツマイモのツルもリースのベースになりそうです。良い作品ができたらまたお知らせしますね。

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