娘たちの声変わり、そして

3月の初めにやってきた鶏たちが、ずいぶん膨らんできました。初めはほんとに可愛い声でピヨピヨとか弱く鳴いていた彼女たちですが、もうどこから見ても、ヒヨコっぽさはなくなり、立派な鶏さんになってきてしまいました。もちろんそれは喜ばしいことで、いつまでもヒヨコでいられては心配でかなわないし、飼うメリットが疑問ですが、どうもそろそろ排卵期になるそうではないですか。生後150日頃からということなので、2月半ばに生まれたこの子たちは、今月半ばがひとつの目安です。ありがたいけどなんだか展開が早いですね。ピヨちゃんたちと思っていた身には強烈なパンチです。

以前フィリピンで飼っていた鶏も、五か月くらいで声が完全にしゃがれてきて、コケコケというよりグゲグゲ、と鳴くようになったと思ったらしばらくして排卵を始めました。最初は小さな小さな卵で、割るのにずいぶんと抵抗があったものです。これがほんとに目の前の鶏さんから出てきたのかと思うと感慨でいっぱいで、結局私には割れず、旦那さんがあっさり割ったものでしたね。

現在うちの鶏たちは、ゲゲ、ゲゲが一番近い鳴き声です。ケとゲの間の音といったほうが正確かな。どちらにせよなんだかたくましくなったものです。10羽とも成長度合いは違えどみんなふっくら立派になりました。小さな頃はつつかれて羽が落ちて痛々しい鳥肌を見せていた一番のおチビさんも、いまじゃ気を付けて見なければ見分けがつかないくらい、見事に回復して十分育ってきてくれました。まさか10羽とも排卵間近になるとは半信半疑だったので、鶏たちを守ってくれたすべてに感謝です。もちろん考えうる限りの対策はしていたとはいえ、やられるときはほんとにあっという間で、いつも命が危険と隣り合わせです。それは鶏に限ったことでなくてどんな生き物も絶対安全ということはありませんが、鶏ってやはり私から見てもおいしそうだしちょっと鈍臭いし、守ってあげなきゃ無事に育ちそうにありませんから。

手塩にかけてきた娘たちが役立つ家畜になるのは嬉しい反面、自分の娘たちの成長がうっすら重なって見えてしまうので、手放しで喜べないのがお母ちゃんの困った心境です。なんせ10羽のうちで成長の早いのが上から1番目、2番目と4番目で、4人の子供のうち1番目、2番目と4番目が娘なもので、つい思い入れが深くなってしまうのです。3番目に大きかった鶏さんはなんだかおっとりさんで、いまやもっと小さな子に紛れてわからなくなっているというに、4番目のたくましいことこの上なく、それはまさに私の末娘のたくましさそのままです。もしこの4番目が真っ先に卵を産んだなら、いつまでも手元に居てほしかった末娘が真っ先に嫁入りしたような気になってしまうのでしょうか。本番の前に鶏でシミュレーションできるとはずいぶん恵まれたものです。娘たちはすくすくと美しく幸せに育ってほしい。でもあんまり急に離れてしまわないで、母さんをどん底に突き落とさないでいてほしいものです。一番上でもまだ10歳にもならない娘に早すぎる心配ですし、我が子はそんなに早く成長するタイプでもなさそうですが、自分に都合のいい思い込みに縛られてしまわないように、いまから心掛けておかなきゃ、きっととんでもない醜態をさらすことになることは間違いないのですから。

自家製卵の価値を考察する前に子離れを考察してしまいました。潔い母になる道は険しい。

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