ああ、本当に春って慌ただしいです。
じっと待った冬の次、何もかもが動き出す希望の春は、もちろん好きな季節なのですが、急に暖かくなってそこいら中で花が咲きまくって、毎年ついていけない感が残ってしまうのですよ。瞬発力の低い己がおります。
香肌峡に居ついて満足している亀成園は、あちこちお花見に出かけずとも近所で十分堪能できるという恵まれた環境におり、いつもの散歩だけで桜を愛でまくることができます。けれど年を通してわりと広範囲の行動範囲圏で、そこに桜並木があることを知っているところも多いです。この時期きっとあそこもあそこも咲いているだろうなぁと想像できるのに、あまねくカバーできないという無力さに申し訳なくなるのもまたこの季節です。なぜ一斉に咲いて、あっという間に散るのか。なぜ私たちは居住地だけでなくあちこち出かけることが容易になってしまったのか。恵まれすぎているのが恨めしい。春の盛りはなんだか複雑な気持ちです。
とはいえ近場の桜をご紹介するのは好きなことですよ。なんというかもう、見事な一本!
他にもまた
三峰山(みうねやま)を望むこの桜の木は、亀成園の持ち物でもなんでもないのですが、毎年必ず立ち止まる大好きな一本です。
この季節に限らずいつも外を歩き回っている私は、一つ一つの木に少なからぬ想い入れがあります。叶うならばどの木も時間をかけて見てあげたい。綺麗に咲いてくれてありがとうと声をかけてあげたい。近隣の桜にはできる限りそうしているのですが、距離があると間に合わなくなること多々で、無力感がありますね。
旧小学校跡地の桜とか、元メイン通りの桜とか、かつての人々の想いがこもっている気はより一層、もっと丁寧に愛でたい。今も残って咲いてくれていて本当にありがとうと言ってあげたい。でも見逃しているかもしれない。もうほんとそんな思いで溺れそうです。
さて、亀成園から蓮ダムに上がって少し行ったところの津本公園もまた、数年前まで桜祭りが行われていた最高のお花見スポットです。
屋台もなくトイレもなく、ただ桜の木がたくさんあるばかりの開かれた場所です。数組の人が居ることがあっても、空いている場所です。今週末咲き誇ること間違いないですよ。3月終わり頃対岸からの様子がこちら
亀成園からは10分もかからないお手軽スポットなので、毎年隙間を見つけて再会を喜んでいます。いつ会いに行こうかな、とワクワクして待つ時間もまた価値があります。絶対会いに行くからねー、と呼びかける木はまだ定めきれていないのですが、きっと待っていてくれるはずです。
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