寒い夜は火を焚いたうちの中でぬくぬくと温まっていたいと誰しも思うものです。晴れた日の多かった11月が遠い過去のように冬将軍が猛威をふるいそうな12月後半。水槽のイシガメも冬眠体制に入りました。どの生き物もじっと潜んでいればよさそうなのにそうもいかないのが生物の多様性。本当に田舎で暮らすということは生き物とのつきあいが濃密だということで、楽しくもあり大変なこともあります。
この辺りではどんな生き物がいるのか聞かれることも多いので、この機会にざっくりまとめておきます。
多いのはやはり猿と鹿です。大きい獣だし、昼間でも見かけることがあるのでゲストが目にする確率が一番高いのもこの2つです。特に今年は猿が多いです。猪もおりますが、飯南町や多気町など近隣の町に比べると飯高町は猪の割合はそんなに高くはありません。山が険しくて鹿向きなようです。その代わりというのか、ニホンカモシカに遭遇するのは飯高町、又は大台町が多いようです。この2つは今年の夏にクマ出没もありました。熊に関しては
全国的にもニュースが多くありましたね。リアルに近いのはまだ珍しいですが、これからもっと増えてくるだろうと予想できます。とまあ大きな獣はこのくらいですね。猿や鹿などは明らかに人間より数が多いです。畑を荒らす筆頭も彼らです。それとあまり見ませんが野ウサギもおります。レタスを食べられたという話を聞くと、ピーターラビットの絵本を想起させられてなんだか嬉しくなりますが、亀成園の立場はピーターラビットの天敵であるマクレガーさん夫婦ですね。野ウサギには出会いたいような出会いたくないような複雑な心持になります。
養鶏家にとって厄介なのは大きな獣よりも小動物です。鶏を好む生き物は多いのです。
イタチ、ハクビシン、テン、アナグマ、タヌキ、キツネ、アライグマが代表的でしょうか。結構いろいろおりますね。キツネとアライグマ以外は箱罠にかかったので、近くで対面したこともあります。イタチとハクビシンは特に気が荒く噛みつかれそうで怖かったです。キツネは跳ぶような走り方が独特で、見かけた時はうっとりしたものです。一番厄介なのであまり居てほしくはないのですが、キツネの跳び様は度々見たいものだと思うのです。
アナグマやタヌキは鶏も狙うし畑のカボチャや果物もむさぼる困った奴らなのですが、体がぽってりしていることもあって、どうにも憎めな
い可愛さがあります。先日つかまったタヌキがおりますが、キョトンと檻から見つめる様子に出会いの喜びを感じてしまいました。
里山は人間が暮らしやすく、同時に野生動物も暮らしやすい環境です。ヒトが頻繁に外に出て活動していれば警戒心の強い野生動物はほとんど近寄ってきませんが、ヒトの存在が小さくなってしまうとあっという間に蹂躙されてしまいます。たくさんの命を育める環境で、何が生き残っていくのか。時々可愛らしい姿を見させていただきつつ、人の輪を繋げていけたらいいなと願うのです。
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