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執筆者の写真亀成園長 まぁちゃん

三峰山でリフレッシュ

春は野で遊び、夏は川や海の水辺で遊び、冬は遊べる機会があるときに思いっきり雪遊びとすれば、秋の遊びはやはり山です。山好きは春夏秋冬登りまくるし、一番混むのは夏山ですが、私は秋の山が断トツで好きですね。紅葉もほぼ散って、高山植物も見られない少し寂しさを伴う頃がベストです。寒過ぎない澄んだ空気の中、歩き続けて身体中が温かくなってくるのもいいし、広葉樹林帯でドッサリ落ち葉を踏むのもまたいいです。山の四季折々を想像するのにも、寂しげな秋の山が一番ぴったりです。それと虫に悩まなくていいのもね。

山に囲まれて暮らしておりながら、実際に足を使って登頂するのは久しぶりでした。日帰り登山、登山口まで半時間と言っても早朝に起きてサクッとこなすのでなければ、午前から昼をまたぐ一日イベントです。子連れならなおさらたっぷり時間をとっての大イベントになりますね。だから良い環境に居ながらなかなか実行できなかったのですが、やっと登れました。登ったのは三峰山(ミウネヤマ)という、どうやら300名山にも指定されている登り易く見ごたえもたっぷりな山でした。昨年度も秋に高見山に登りましたが、曇りの中なんとか雨を避けた天気だったのに対して、今回は紛れない晴天で、幸運な山歩きでしたよ。どんな絶景ポイントでも晴れてなきゃ見れやしないですからね。心の目に焼き付けて自分を慰めてはいても、時にはわかりやすく見たいものです。

八丁平という頂上近くの開けた場所から、地域の一部を見下ろすことができました。これまたなんと山に囲まれた谷筋集落であるか、なんとなく知っていても、改めて上から見て驚きです。

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1250メートルの高さから見下ろしても、見えるのは小学校校区の半分ほどに過ぎません。うちもギリギリ近くは見えるけれど、手前の山に隠れて見ることができません。うちを見下ろせる場所からは近くの他の集落は見えないし、我々は本当に谷の住人なのでありますね。ムーミンたちとの共通項を見出して密かに嬉しくなります。

コースタイム2時間弱の登り道を子供たちと休憩挟みつつで3時間程かかりましたが、子供たちは終始元気いっぱいで、お昼を食べたあとはかくれんぼしたり走り回ったり、登り切った喜びも加わってかおおはしゃぎでした。もともと体力がなくて登り降り以外の力をできるだけ使いたくない私とは全然違い、その時その時を全力で楽しむ子供たちの在り方は、いつもながら羨ましい姿です。かっこいい岩を見つけたり、木の洞に想像力を掻き立てられたり、落ち葉を投げぶつけて調子に乗り過ぎたり、泣き言もなくめいっぱい楽しんでくれたので、連れてきた甲斐もありますね。

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林業らしい杉林の後、落ち葉でいっぱいの広葉樹林帯になり、山の上特有の低木層に出ます。そんなに高い山ではないので、雲海を拝めたり、何にもないてっぺんを感じたりは叶わないものの、一気に登り降りしての達成感は予想以上のものがあります。山岳信仰とまではいかないでも、山登りは胎内回帰に喩えられることもありますね。とりわけ縦走でなく一気に登り降りする場合、一度山の懐深くに入ってまた出直すイメージが重なるのも頷けます。安心安全な母胎の中に帰りたい願望は、生まれ出た誰もが抱いている切ない願いのようです。私自身そうだとは恥ずかしい気がしてよう言わんのですが、子供が小さな狭い暗い場所にこもるのも、何かでつまずくと部屋に引きこもってしまうのも、もっと大人になったとしても、ふと帰りたくてたまらなくなっても何の不思議もありません。適度に山に登ったり海に潜ったりすると健康的に生きていけるのは何も体力的な問題だけではないのでしょう。山登りをしている人がなんだか若々しく見えるのも、何度となく擬似的に生まれ変わっているのかな、などと考えてみるのも楽しいものです。

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