虫捕りと言えばカブト虫などの花形甲虫というのは勝手なイメージで、小学生の頃の私はもっぱらセミの抜け殻を集めていました。捕虫網も虫カゴも要らんやん、と過去へのツッコミはありますが、まあ単に捕れなかったのですね。たまに姉が生きたセミを捕ってくれたのは嬉しかったですが、あまりに儚い命が辛くって、それもあり、抜け殻ばかりを安心して集めていたのです。もう命は出ているので死なないし、どう見ても虫なので捕まえた感じも満足します。鈍臭い私には必須のありがたい夏の風物詩だったわけです。
飯高の我が家に来て、息子が虫好きを提言してからは捕虫網も虫カゴも大活躍になりました。虫が多いだけでなく彼の、また彼の父や姉たちの技術の賜物であります。大きなトンボを採る喜び、蝶々もまさか捕まえられることを知ったし、カブト虫宿のクワガタ虫も幾らでも採れそうですが、まだそんなに採れてないのは夕食後に狩りをする気がなくなってしまうという大人の事情によります。ちょっと申し訳ないです。
こんな恵まれた里山でしかし、セミの抜け殻は滅多に見かけないのです。 呆れるほどの鳴き声からすると溢れる程セミがいることは間違いないのに、私の好きな抜け殻はどこにあるのでしょう。毎日の散歩で様々な木の幹を観察するのですが、成果は芳しくありません。やっと出会えた時のはしゃぐ心がおかしいくらいでした。
葉っぱの裏で羽化してるのもありました。幹でなく葉っぱの裏もわりと見つかるようです。小学生の頃はいつも桜の幹ばかりで見つけていたイメージが強すぎて見落としていました。 下の写真に3個あるのですが、わかりますかね。
余りに木が多いから探しきれないのは認めるにしても、それでもこれ程見つからないには何か理由があるに違いありません。近くに根こそぎ集めるような子供もいないゆえ、犯人は人間とは考えにくいです。
もしか鳥が食べるのかなと貴重な抜け殻をうちの鶏に与えてみたら、競って食べましたよ。固い殻は卵にも良さそうなので、好みならどんどん与えたいですが、いかんせん先客がいるようです。
セミを好む生き物は何なのか考えていたら、なばたとしたかさんの「こびと大百科」にセミグルメなるこびとを見つけました。
こいつはもっぱらセミ本体を好むそうですが、まだわかってないことが多いそうなので或いは抜け殻も取っていくのかもしれません。もちろんこのこびとは架空、創作ではありますが、やたら短命なのに夏と切り離せないセミだけのために存在するこびとがいると考えるのもまた楽しいですね。
鳥か虫か或いはこびとか。抜け殻探索は続きます。
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