ウグイスの声がもたらしたもの

春めいたなぁと目で見て感じるのは野花が次々に開花していくときですし、風が柔らかくなって肌で春を感じるとなんともむずむずするくらい嬉しくなります。人によっては大量の花粉をキャッチして、鼻で感じるのが強烈という場合もあるかもしれません。私の住む辺りは林業盛んな地域なのでスギ、ヒノキ花粉は半端ではないでしょうね。なにやら痒い、くらいはあっても辛すぎる花粉症でなかったのは幸運でした。

ところで、目、肌、鼻とくれば残りは耳と舌ですね。そうそう春ならではの苦い味覚は寒さから身体をほぐす大事な役割があるそうなので、有難く頂きましょう。苦味で身体を目覚めさせて、ストレッチでほぐすことができれば、安心して次の季節に向かえます。余談です。

本題は耳の春。

自然農法を目指す人などには「沈黙の春」は象徴的な言葉かもしれませんね。土地の開発や農業の機械化、化学農法によって、生態系が損なわれ、春になっても虫も鳥も騒がなくなってしまったという警鐘は、想像するだに空恐ろしい寒々しい感じがします。なぜってこの辺りもダムもあり農薬もありとはいえ、春の騒がしさに移住者はびっくりしてしまったから。あちこちから聞こえる鳥のさえずりが、朝早くにはやかましいほどで、まだ肌寒くて花もぽつぽつしか咲いていない頃から、耳の春は真っ盛りでした。これがシーンとしてしまうやなんて、ちょっと考えたくありません。

トンビのピーヒョロヒョロは空高く、ピーィピーィとヒヨドリも主張し、ジーチリジーチリ鳴くのは誰かしら。まだまだ勉強不足、経験不足が情けないですが、ひとつひとつ頭と心に刻み付けていく楽しみがありますね。チュイッチュイッ、チーチチチ、ジリリッチ、いろいろあります。

そしてホーホケキョと鳴くのはもちろんウグイスです。これはわかります。アンデルセンも物語にした稀少な鳴き声があちらこちらで聞き放題なのはなんと贅沢なことでしょう。それにここらのウグイスは、ホーホケキョなんて鳴きません。ホーーーーッ、ケキョケキョケキョケキョケキョケキョケキョケキョー、ホケキョ‼️

控えめに言ってもこのくらいは鳴いています。そして春を過ぎ夏になるともっとうまくなります。堂々地域自慢できるもののひとつなのですよ。

さてここに住んでいると、素晴らしい鳥たちの鳴き声を朝な夕な聞いていることになります。森で鳥の声を聞いていた子供は歌がうまくなるそうですが、子供達への影響はまだよくわかりません。特筆するほどの歌唱力でもなさそうです。今のところ。彼らより先にしっかり影響を受けたものがおります。

鶏たちです。

まだヒヨコの彼らは、ピヨピヨと鳴きます。ピピピ、ピチュ、とかのバリエーションはありますが、基本的にはピヨ。この鳴き声が、最初の頃とは段違いに美しくなっているのです。以前飼っていたヒヨコと比べても、記憶の範囲ではありますが、明らかに美しい。ピーヨ、の伸ばす音が日に日に少しずつ長く、澄んだ音になってきているのです。

そのうちピヨなんて可愛い声は出なくなり、コケーッとやかましくなる運命ですけれど、今この時点で、こんなにもウグイスの恩恵を受けて美しくピヨを奏でられるようになったヒヨコたちを覚えていたいです。親バカの私には、うちに野鳥がきたのかと耳では間違えるほどに聞こえますよ。

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