お豆の季節のマメな仕事




「まだ大阪で暮らしているとき、小さかった子供たちと散歩がてら摘み草に凝っていたことがありました。その頃はもうたまらなく田舎暮らしに憧れていて、週末菜園もやりながら、もっともっと土が近い暮らし方をしたかったのです。実家の母もノビルやツクシくらいは取り入れてくれていましたが、毎年ほんのぽっちりのなんだかオシャレな特別食でした。多分私がその頃開拓民の物語や戦中戦後の庶民の話なんかを読んでいたのも相まって、きっともっと食べる草はあるはず、しぶとく生きていけるはずと暇に任せてそこら中をガン見していました。ちょうど空き地に破竹が生えていたり、名前はわからないけれどチシャみたいなきれいな草を池のほとりに見つけたり、ああでもないこーでもないと摘みながらかじりながら悩んでいた頃見つけたのがこの本です。


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四季の摘み菜12ヵ月 健康野草の楽しみ方と料理法 摘んだ草がたちまちごちそうになる。身近な72種を紹介 (ヤマケイ文庫)


ここには作者があらゆる野の草を食べようと試行錯誤を続け、見つけ方や食べ方を工夫してきた根性主婦の軌跡が記されていました。世の中には私よりはるかに好奇心とチャレンジ精神が旺盛なたくましい人がいるものだと目からウロコでした。たった一冊でノックアウト。時にはこんな本との出会いもあります。

薬草の本はいくつもあります。野の花絵本もわりとあります。ばばばあちゃんもちょっとは教えてくれます。でも、平谷さんはレベル違いで食べまくります。ネギ坊主をチャーハンに入れるし、カラスノエンドウの若葉も食べるし、ハハコグサもよく使うのだとか。がっつり刺激されて目につくものはひと通り試してみました。飯高に越してからも覚えていた技は試しております。タンポポの葉は苦いし、ハハコグサも食感がイマイチでなかなかレベルアップしないのが悩みですが、わりと好きなのはカラスノエンドウご飯。




以前のブログにもアップしていたので私としては使い古しのネタですが、今のタイミングで目に留めてくれる人がいるかもしれないので、再びプチプチご飯の登場ですよ。

どこにでもあるカラスノエンドウがさやに実をつけたら集めてきて中身を出します。チマチマコマコマと手先が鍛えられること間違いなしの地味な作業を楽しんだら、ご飯に混ぜて炊くだけです。


グリンピースのボソボソ感が苦手だけど、五月は豆ごはんの気分を味わいたい、という人には特にオススメです。娘は杏仁豆腐の香りと表現してくれました。

カラスノエンドウはしぶとい雑草の代表格で、はびこって他の作物をなぎ倒すこともあるので、ほとんどはマメに引っこ抜いて鶏舎行きです。それでも残っていたしぶといのから豆を取って摂取するのは、なんだか自分もよりしぶとくなれそうな気がしますね。何があってもたくましく。その思いが伝わったのか末娘がどんどん取ってきてくれて、地道なサヤ取りに追われる休日です。」


この記事を書いてまた一年。五月恒例のノエンドウご飯も無事に済ませました。今年は特にスナップエンドウの成りがよくなくて、緑の豆の味に焦がれていますが、その気になればいつでも食べられるというのは安心感があります。元々買い物の苦手な私でなくとも現在は買い物の頻度を減らす人も多いでしょう。おうち時間、おうちご飯の頻度は上がる一方だというのに。「あれがなくちゃ作れない」から「ないならないでなんとか作って食べよう」にシフトチェンジする時なのかもしれません。似たような食材ばかりで作るのも食べるのも飽きているのが私の本音ですが、野草を取り入れる試みを続けているのでなんとか前向きを保てています。


今子供たちはカラスノエンドウを見つけてはサヤを空けてヒヨコに与えています。小さな粒々がヒヨコにとってはたいしたご馳走なのかな。こんなちまちま作業が受け継がれ、楽しみに変わっていくなんで、しぶとく生きてきた甲斐があるというものです。



30羽程もいる小さなヒヨコを不用意に外に出すわけにはいきませんが、数羽ずつの外慣らしが楽しい時間です。迷子にならないか、トンビがさっと降りて来て連れて行かないかドキドキしながら、好奇心いっぱいの小さな生き物を見守るのは幸せなひと時です。

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